先に言っておくと前置き長いです。タイトル部分だけ見たい方はスクロールしてくださいな。
前書き
Apple製品大好きな私、過去には約4年ほどApple Watch Series4を愛用していた。
使い始めた当初、本当に便利に感じて「こりゃ一生手放せないな」そう感じていた。
しかし長く使っているうちにやたらとバッテリーの持ちが悪いことに気付いてしまう。
使い初めの頃は1日半ほどバッテリーが持続したが、2年使い続けたくらいから1日も持たなくなってしまった。具体的には8:00時点で100%→20:00には30%を切るほどだった。充電を忘れて寝落ちしてしまった日にはもう、次の日は時計のない生活を送ることになっていた。
そんなところで不便を感じつつもやはり持っていると何かと便利なことは多い。自分の運動不足を可視化出来たり、財布やスマホを忘れてコンビニに行ってしまってもApple Watchの決済機能で何とかなってしまったりなどなど救われるケースは多岐に渡っていた。
約4年間使い続けたある日、『そろそろベルト変えてみようかな』と某社のカーボン製バンドに交換。しかしこれが罠で接続部分がマグネット製、少しの衝撃で外れてしまうような代物だった。
通勤途中、バスから降りた時の段差の衝撃で突然時計が外れる。気付いた時にはもうとんでもない状態だった。
新しいモデルの購入を考える。ただし当時の最新モデルであったSeries7を調べてみるもSeries4と全くと言っていいほど差を感じられなかった。それなのに値上がりしている。ということで即決はせず様子を見ることにした。
Apple Watchを失ってから数週間が経過する。そこで気付いた。
『あれ、あんなに使い込んでたのになくても全然困ってないや。』
“なくてはならない”存在から”あったら便利”という存在まで降格していた。
そこで使っていた頃を思い返してみる。
・電池持たなさ過ぎてストレス、充電忘れは死活問題
・通知が目に入りやすい。嫌でも見てしまう
・iPhone以外のスマホが使えない
・個性がない
特に電池持ちに対するヘイトが強過ぎた。こりゃもう持たなくていいや。
しかし時計は無くては困るもの。ふとApple Watchのランニングコストを計算してみる。
4年使ってバッテリーが致命的な状態ということは、約5年ごとに買い替えが必要と仮定する。
残りの人生が50年と仮定した場合、買い替えは10回必要。1回あたり約6万なのでトータルで60万円にもなる計算だ。こりゃ有名ブランドの機械式時計が買えてしまう。
ということで色々調べた結果、OMEGAのSpeedmaster Professional、通常ムーンウォッチを購入。
購入当時は80万と少々、現在の定価は120万ほどになっているそう。勝手に得した気になっている。そして手巻き式腕時計なので電池という概念がない。サクッとゼンマイを巻いてあげればすぐに動き出す。
それにApple Watchにはあった寿命という概念がほぼないに等しく、しっかりとメンテナンスをしていれば孫の代、更にはその先の代まで代々引き継いでいけるような素晴らしい工業製品だ。
しかし高級時計という点が邪魔をすることも多々ある。それは天気の悪い日や激しく動き回る日だ。
雑に使えて且つヘルストラッキング機能があるといいな。そしてある程度の格好良さも欲しい。そこで見つけたのがタイトルにもある”CMF by Nothing Watch Pro”、通称”Nothing Watch”だった。
CMF by Nothing Watch Proについて
ガジェット界隈でおしゃれスマホを作っているメーカーとして有名なNothing社のサブブランド、CMFから発表されたスマートウォッチ。
Nothing譲りのオシャレな外観と必要十分な機能が実装されているという点から界隈では非常に注目を集めている製品、なのに何故か価格が$69という破格設定。そして何よりも”最大13日のバッテリー持続”という点。
これは電池持ちの悪さを理由にApple Watchを卒業した私に刺さりまくりだ。気付けば某海外ECサイトでポチっていた。
到着。
注文したのが早かったおかげか日本国内でもトップクラスの速さで手元に届いた。
早速開けてみる。見た目は良好、そしてやたらと軽い。これは使いやすそうだ。
愛用しているムーンウォッチと並べてみる。大きさが際立つ。
日本語にも対応している。
接続完了。オシャレなアプリ。これはワクワクするね。
横から見た感じ。フラットスクリーンかと思いきやほんの少しだけ端っこが湾曲している。
バンドは22mmのものなら何でも付きそう。
装着するとこんな感じ。なかなかだね。
悲劇。
開封して接続して使えるようになって、アプリを色々といじっていた。
するとアップデートが来ていることに気付く。どうやらこのアップデートを施すと更に使い勝手が良くなるそうな。これはアップデートしない手はない。早速アップデートを開始。しばらく時間が掛かりそうなのでそのまま風呂に入った。
戻ってきて見てみるとペアリングが解除されている。仕方がないので再びペアリングを試みる。
ペアリング成功、しかしすぐに切断されるのだ。時計を見ると再起動されている。
何度繰り返しても結果変わらず。これは完全にループに入っている。文鎮化コースなやつ。
他の被害者を探す
Twitter(X)で被害者を探してみるもなかなか見つからない。そりゃユーザ数が少なすぎるので当然か。
しかし奇跡的に1名の方を見つける。まずは自分だけの事象じゃないことに安心、これで一緒に戦っていける。
公式サポートに問い合わせ
公式サポートに問い合わせる。すると返ってきたのはこんな返事。
| We are from CMF Customer Support. And we are reaching out to you to procure more details about the issue you mentioned: After updating, I lost connection with my iPhone To gain a deeper understanding of your issue and provide effective solutions, could you kindly assist by answering the following questions?1. Could you please help us capture a log of the issue? The guide is as below: Enter CMF Watch Pro>>Tap the fourth icon>>Upload log>>Fill in the issue description and your mail address>>Select the corresponding log file>>Confirm2. May we know where your purchasing channel is? and your region？ 3. The troubleshooting provided may help resolve the issue you encountered. a. Do not operate the watch when this issue appears, and wait 10~20 min to check if it can be restored itself b. If not, please check whether it can be turned on by long-pressing the power button for 15s |
もちろんこんなものでは治らない。その旨伝えると返ってきた返事は…
| We apologize for any inconvenience you may have experienced. If the troubleshooting solution cannot resolve the issue, we suggest contacting the seller to arrange for a replacement. Thank you for your feedback, which will be promptly forwarded to our R&D department for further optimization. |
| Thank you for providing us with valuable information. I have forwarded it to our internal R&D team. It seems that this issue may be caused by software compatibility, but rest assured we will resolve it promptly and provide you with a solution as soon as possible. |
さいごに
製品自体の脆さとサポートのいい加減さを思い知った出来事だった。
いざ日本で発売するとなった場合、
・宣伝活動としてガジェットレビュワーに大々的に配布
・その人達がいいことばかりを連ねる
・更に話題になって爆売れする
って流れが思い浮かぶよね。
見た目は抜群、そして機能も悪くなく何より安い。そりゃ誰も欲しくなるよ。
ただし蓋を開けてみれば上記の通り。こりゃ万人に勧められるものとは到底言い切れない。
発売前にわざわざ海外からあの手この手で仕入れるようなガジェット好きの方々はある程度機械に強い人が多いけど、上記の流れで購入する層はそうでないケースが多い。そんな方々に対して今回のような理不尽なバグを突きつけられることがないよう、私は引き続きメーカーと戦っていきますよ。
おわり。
(2023/10/15)追記
メーカーサポートから新たに返答いただきました。
| Sorry for the inconvenience caused. We have received your question and due to device compatibility issues, we suggest temporarily changing the time zone of your phone system to London, United Kingdom (GMT+1:00) using the following steps before pairing the your watch: 1. Please change the time zone of your phone to GMT+1:00. After changing the time zone, please manually stop the CMF Watch app and then reopen it. *For iOS: Settings>>General>>Date & Time>>London *For Android: Settings>>System>>Date & Time>>Region:United Kingdom 2. Please bind your watch in CMF Watch app. Note: After the first binding, the watch will restart and you need to bind it again for successful operation. 3. After successful binding, please enter the CMF Watch app and wait for the app to automatically synchronize the time. Then, you can use your watch normally. Once done, you can restore the time zone on your phone back to your local time zone. Note: If you perform a factory reset or unbind the watch from CMF Watch app, you will encounter the same issue. Therefore, you need to follow the above steps to fix it again. We prioritize resolving this issue in future updates.Please stay tuned for updates. Thanks for your understanding and cooperation. |
要するにイギリスのユーザー環境でしかテストしていなかったってことかな。まだまだ展開されている国は少ないだろうから、それ以外のタイムゾーンの国はテストケースとして考慮されていなかったのかも。
ひとまずなおって安心。すぐに調査してくれてありがとう、Nothingさん。ただ文字盤を変えようとするとエラーになるね。まだまだソフトウェアは不安定のようだ。
『今後Nothing製品は買わない』って宣言しちゃったけど少し考え直してみることにします。
